調理担当社員クロストーク
PROFILE
岡崎昌之
調理課課長
18歳で和食の料理人となり、料亭などを経て1997年10月に月光園へ入社。月光園では煮方(煮物担当)を経て、現在は板(刺身担当)を務めるとともに、調理課課長として調理場を率いる。
清水亜美
調理課課員
高校の製菓コースを卒業後、2014年4月に月光園へ入社。働きながら調理を基礎から習得し、現在は油場(揚げ物担当)を任されている。
●入社のきっかけと、現在のお仕事内容を教えてください。
(岡崎)私は18歳で料理の世界に入り、もう40年になります。月光園に入社したのは、27年前のこと。料理にこだわった旅館で、本格的な京会席を手掛けられることが魅力でした。現在は調理場で板を務めるかたわら、調理課課長として、月光園游月山荘でお出しするお料理全体の監督と指導を行っています。
(清水)私は高校では製菓を学びましたが、調理に興味があり、9年前に新卒で月光園に入社しました。調理に関してはほぼ未経験でしたが、仕込みから調理、盛り付けまで現場で働きながら教えていただき、現在は油場を担当しています。
(岡崎)調理スタッフの中には、清水さんのように、料理は未経験で入社される社員もいますが、基礎からしっかり指導するので大丈夫です。
(清水)そうですね。游月山荘の調理スタッフは7名いますが、私のほかに女性スタッフがもう1名います。女性も活躍できる職場なのが、ありがたいですね。
●月光園の料理には、どのような想いやこだわりが詰まっていますか?
(岡崎)游月山荘では、特別室にご宿泊のお客様には京会席のお料理を部屋出しし、一般客室にご宿泊のお客様はビュッフェレストラン「月の座」をご利用いただいています。京会席では、旬の新鮮な食材を素材本来の味を最大限に引き出しながら、目にも美しく、和の伝統や季節感をおいしく味わっていただける料理を心がけています。お客様の8割~9割が利用されるビュッフェレストランでは、10品の月替わり料理を含めて約60種のメニューをご用意しています。お子様からご高齢のお客様まで、幅広い年代層の方にご満足いただけるように、和食以外の料理も積極的に取り入れています。
(清水)私は、ビュッフェレストランでは3年前から、お客様の目の前で天ぷらやフライを揚げています。ビュッフェは、目の前に色とりどりのさまざまな料理がたくさん並び、ご自分が食べたいものを自由に取れるのが魅力です。お客様の目の前で調理をするのは緊張しますが、目にもおいしそうな、衣の花が咲いたような美しい天ぷらを揚げることと、揚げたてサクサクの天ぷらをお客様に味わっていただくことにこだわっています。
(岡崎)ビュッフェレストランでも京会席と同じく、おいしくお召し上がりいただくために「温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいまま」ご提供することを大事にしています。清水さんに客前で調理をしてもらうのも、お客様に揚げたての天ぷらやフライを、一番おいしい状態で食べていただくためです。
(清水)お客様には、目の前で料理ができ上がっていくライブ感も楽しんでいただきたいと思っています。客前で調理をしていると、お客様の反応がじかに感じられます。目の前で「おいしそう!」と歓声が上がったり、「おいしかったよ」とお客様から声をかけていただいたりすると、すごくうれしいですね。
●理想の料理を提供するために、指導や調理で心がけていることはありますか?
(岡崎)私が常々スタッフに話しているのは「真心のこもった料理は伝わる」ということです。逆をいえば、真心のこもっていない料理、手を抜いた料理は、お客様に見抜かれてしまいます。ですから、料理に真面目に取り組むことが何よりも大切です。
(清水)確かに、岡崎課長からは「お客様をなめたらいかん」と、よく言われます。お客様は私たち以上に外食経験が豊富で、いろいろなお店でさまざまな料理を食べていらっしゃいます。ですから、舌の肥えたお客様にもご満足いただけるような料理をご提供できるように、1品1品手をかけ心を込めて調理しています。
(岡崎)基本に忠実に、細かい手順も決して省略せずに、仕込みから盛り付けまで丁寧に心を込めて仕上げること。料理人として大事なことは、これに尽きると思います。目の前の素材と真剣に向き合い、手間を惜しまずに丁寧に調理することを私自身も常に心がけていますし、スタッフにも指導していますね。
●最後に、今後の目標について教えてください。
(岡崎)コロナ禍を受けて、ビュッフェ料理の提供の仕方も、感染防止対策のためにカバーを設置するなど、さまざまな変化がありました。游月山荘では15年前からビュッフェ方式を取り入れましたが、お客様の嗜好の変化や時代に合わせて、料理の内容や提供方法も変えていかなければいけないと思っています。常にアンテナを張り、新しい情報や食の流行などもキャッチしながら、游月山荘ならではのおいしい料理を提供できるよう、改良を重ねていきたいと考えています。お客様の席前で寿司を握るなど、新しいことにもどんどんチャレンジしていきたいですね。
(清水)私の目標は、早く料理人として一人前になることです。まだまだ知らないことがたくさんあるので、先輩方から指導を受けながら、調理の技術や知識をどんどん吸収していきたいと思っています。
(岡崎)清水さんはよく頑張ってくれているので、これからの成長にも期待しています。游月山荘も最近は、海外からのお客様が増えています。時代の変化に合わせながら、外国人のお客様にも、月光園が大事にしてきた「和の心」が伝わるような料理を創っていきたいですね。